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令和 2年 令和元年度決算特別委員会・速報版(第3日10月 6日)
(兵庫議会HP 兵庫議会会議録 閲覧・検索システム より転載)
○委員長(北浜みどり) ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
―中略―
これより議事に入ります。
認第1号ないし認第23号を一括議題といたします。
本日は、財政状況についての審査を行います。
これより質疑に入ります。
この際、当局に申し上げます。
答弁は発言の趣旨を的確に捉え、簡明・率直に願います。
委員等の発言は、通告に基づき、委員長より順次指名いたします。
―中略―
次に、中島かおり委員。
○(中島かおり委員) 芦屋市選出の中島かおりである。今回初めての決算委員だが、どうぞよろしくお願いする。
2項目について質問させていただく。
最初は、財務諸表についてである。
兵庫県におかれては、平成28年度決算より統一的な基準による地方公会計に基づいて作成された財務諸表をご報告されている。
自治体が行政改革の取組として、自主的に発生主義会計を取り込んだ財務書類を作成していたことから始まり、国の会計基準と整合的な会計基準を自治体にも適用する基準モデルの導入が進められ、総務省方式改訂モデルとの並列の時期を経て、地方公会計の改革が進められてきた。
昨年から兵庫県議会議員を拝命しているが、昨年、この決算議会の時期に合わせて、財務諸表をご報告いただいた際、複式簿記の理解が深い職員を採用してきたこともあったのか、やる気があって、さすが兵庫県だと感服した。
ご存じのとおり、都道府県以外の自治体を含めると、決算審査の時期に合わせて、必ずしも自治体がこの財務諸表を公表できているわけではない。しかしながら、3月の年度末に連結財務諸表を加えられた財務諸表を再度公表されておられる。整理により確定するのには時間を要するのだと理解するところである。
財務諸表だが、せっかく毎年作成していくのだから、確実な活用が求められるところである。分析等を行いつつ、県民や議会等への財務情報の分かりやすい開示や、公共施設マネジメントに役立てるなどの資産管理・予算編成等に積極的に活用すべしと言われているが、兵庫県としては、この財務諸表を具体的にどのように活用しておられるか、お伺いする。
○財政課長(有田一成) 財務諸表について質問をいただいた。
統一的な基準による地方公会計では、発生主義・複式簿記を採用することで、従来からの現金主義・単式簿記だけでは見えにくい減価償却費、退職手当引当金といったコスト情報、資産・負債といったストック情報の把握が可能となる。
そのため貸借対照表等の財務書類等を作成・開示することによって、単式簿記による現金主義会計では把握できないストック情報や見えにくい減価償却費等を含むコスト情報が見える化をされて、財務情報を分かりやすく示すことができるため、県民や議会に対する説明責任を適切に履行できるものと期待されているものである。あわせて、固定資産台帳、本県では、財産管理台帳と呼んでいるが、その整備等による公共施設等の資産管理などへの活用も期待をされているところである。
本県では、平成28年度決算から統一的な基準による地方公会計に基づき、財務書類等を作成し、決算審査の補足資料として議会へ提出をするとともに、県ホームページにおいても県民に情報発信をさせていただいているという状況である。
公表に当たっては、財務諸表の様式として、国から示された科目や金額の羅列だけではなくて、本県では前年度の数値も記載をさせていただいて、その増減を記載をさせていただく。そして、その分析を行う。更に有形固定資産減価償却率や県民1人当たりの資産・負債額、行政コスト、キャッシュフロー等を示すことで、県の財務情報を分かりやすい形で説明することとしている。
なお、各分野の既存の財産台帳に登録された資産の取得価格、また耐用年数等のデータについて、財産管理台帳のもと、利用状況や維持管理コスト等、施設のマネジメントにも活用できる施設情報を一元的に集約、整理をして、県全体の公共施設等について、老朽化対策等に計画的に取り組むための優先順位づけや改修費の精査等に活用するものとしている。
○(中島かおり委員) ご答弁いただいて、ありがとうございました。いろいろと活用しているというようなことだったかと思う。
国のほうからの毎年の照会などにも、先ほど課長からのご答弁もあったように、決算審査の補足資料とするなど、議会における説明資料として活用しているだとか、あるいは簡易に作成して、住民に分かりやすく説明して取り組んでいただいているということで承知をいたしているところである。しかしながら、なかなか示しただけでは活用しているとは、少し、まだ難しい状況があるのかなというふうには思うところである。
審査に先立っての先週の決算の概要をご説明いただいた際も、財政健全化判断比率等についてのご説明はあったけれども、こちらの財務諸表については、特にご説明もなく、また、事務局のほうからも決算審査には、この資料を持ってきてくださいというような資料の中にも、健全化判断比率についての資料だとか意見書、そのほか決算書類、必須だけれども、そういった中にも、この財務諸表が含まれていないというのは、ちょっと残念なのかなというふうにも思ったりもするところであった。
決算審査の補足資料として、議会にもおける説明資料として活用しているということもおありだということなので、そういった決算資料にぜひというようなこともご検討いただくのは、すぐにできるのかなというふうに思うが、この辺りのところはいかがか。
○財政課長(有田一成) 財務諸表の決算審査における取扱ということになるかと思う。今現在、先ほど委員のほうからもご指摘あったとおり、補足資料ということで補完的なものという形での今は活用させていただいている。というのも、勘定会計のほうで、長年、県のほうでも処理をさせていただいている。これが50年以上、半世紀を超える形での整理をさせていただいているので、積み重ねてきたものがある。それに基づいて、我々のほうは実効性のあるものという形で、決算の数値のほうを整理、確認をさせていただく。それを来年度の予算等に活用させていただくということにさせていただいている。
この新しい財務諸表、公会計のほうで、28年から、本県のほうでは整理をさせていただいているが、まず、全国で、この決算資料として整理ができたのが平成30年度決算からという状況となっている。新しい状況ということになっているので、他府県との比較等についても、まだ十分にそういったデータのほうがそろっていないという状況になっているのではないかと思っている。
そういった他府県の状況等も十分精査させていただきながら、今後の活用等については検討させていただきたいと思っている。
○(中島かおり委員) ありがとうございます。いろいろとご丁寧にご答弁いただいたので、次にもお伺いしようかなと思っていたようなこともお示しをいただいたかなというふうに思っている。
一番最初にも申し上げたみたいに、なかなか全部がまだ出そろっていないというような中で、兵庫県としては、28年度決算から作成をされているということで、最初に公表されるときには、その目的や効果などについても明らかにされているのかと思う。こちらも28年度内には、総務省の改訂モデルということで、もともとはその決算統計という、その数字を引っ張って作っておられた。それが28年度に向けて、財産管理台帳、兵庫県では、そのように呼ぶというふうに先ほどもご答弁の中にあったけれども、その台帳の整備というのが大変な作業だったのかなというふうに思うところである。そのときに全庁的に有効活用を図って、どういった効果があるのかなというようなことも明らかにされておられることかと思う。3年たって、新たな課題ということで、先ほど課長の答弁の中にも含まれていたのかなというふうに思う。せっかく作っている書類、数値なので、ぜひ今後活用していくということがとても大事なのかなというふうに思うので、そのことについて大変期待をしているので、どうぞよろしくお願いする。
では、2項目めについて、予備費の考え方についてお伺いをする。
2019年度令和元年度予算編成当時、無論、コロナ禍を予想することは難しく、世界中において収束が見通せない状況が続く中、予備費についても金額の多寡は別にしても、これまでにない特殊な状況下で使われている。このコロナ禍を契機として、予備費の在り方についてどのように考えられているのか、お伺いをする。
○財政課長(有田一成) 予備費についてのご質問をいただいた。
予備費は、地方自治法第217条第1項に基づき、予算外の支出、または予算超過の支出に充てるため、歳入歳出予算に予備費を計上しなければならないとされている。これは、通常、地方公共団体の支出は、歳出予算の定めるところに従ってのみ執行できることから、新たな経費が必要となった場合や予算不足等を生じた場合においては、補正予算に措置する必要があるが、その内容が軽微なものについては、行政執行の効率の観点から、長の責任において、予備費の充用により対応できることを定めたというものである。
本県では、平成28年度当初予算において、執行実績を踏まえて、それまで計上額10億円としていたものを5億円に減額をして、令和2年度当初予算においても同額を計上しているという状況である。
予備費を減額した平成28年度から令和元年度までの4ヵ年間の執行の実績であるが、平均で約1,060万円となっていて、更に過去の実績で、訴訟対応等において緊急に多額の予備費等の対応が必要となったケースもあるので、そういった点を勘案すると、5億円という額は適正な規模の予備費ということになっているのではないかと思っている。
なお、令和元年度の予備費については、2月の精算補正予算の編成後において、新型コロナウイルス感染症対応のための補正予算を編成する必要が生じたことから、その財源として、予備費を約2億3,900万円減額をした。これは内容の重要性に鑑みて、予備費の減額を補正予算の一部として、県議会に説明することが適切と考えたためである。
今後の予備費の在り方については、新型コロナウイルス感染症の状況等を踏まえる必要があるが、直近の執行実績から、これまでと同程度の規模とすることが適当ではないかと考えている。
○(中島かおり委員) ありがとうございました。1点再質問させていただければと思うのだが、金額が10億円から5億円になったというときには、何か協議あったかと思うけれども、その点についてはいかがか。
○財政課長(有田一成) まずは、平成28年度に10億から5億に減額をさせていただいたが、その前年、24年から27年までを見ると、例えば26年であれば3億5,500万円の執行があった。更に27年には8億3,600万という執行がある。これは青野運動公園の土地信託に関する訴訟に対する対応というものになっていて、そういった特殊な事情がない限りは、過去の事例を見てみると、10億必要ないということを判断をさせていただいたものである。この金額等考えると、5億で予備費としては執行が可能だろうということで、28年度に金額等を削減させていただいたというところである。
○(中島かおり委員) ありがとうございます。優秀な財政課の皆様におかれては、よほどのことがない限り、やりくりは大丈夫というような感じを今のご答弁をいただく中で、しっかりと印象深く受け止めさせていただいた。現在5億の設定ということだけれども、今回のコロナ禍を契機として、いま一度議論するきっかけにしてはどうかというような趣旨で質問をさせていただいた。予備費だけではなく、公債費だとか一時借入金などといったその他の要素も含めて、財政運営、ひいてはガバナンスということなのかなというふうに思っているので、予備費だけではお答えしにくかったのかなというふうにも思うところである。
いずれにしても、まだコロナの影響も続く。また、本日朝からいろんな角度、あるいはいろんな指標、いろんな計画等々用いられながら、いろんな議員さんとの質疑等のやり取りの中で、まだまだ厳しい財政状況が続いているというようなお話を聞かせていただいてきた。
行財政改革、これまで一生懸命やってこられて、ようやくここまで来たにもかかわらず、コロナの影響によって、まだ、先行き不透明というような部分で、行革やってきたのに、まだやらなくちゃいけないのかというような大変な思いをお持ちでおられるということにも大変私どもも心を痛めるところではあるが、誠意をもって、県民の皆様に信頼される行財政運営を今後ともお願いして、私の質問を終わらせていただく。
ありがとうございました。
○委員長(北浜みどり) 中島委員の質疑は終わりました。