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令和 2年 令和元年度決算特別委員会・速報版(第5日10月 8日)
(兵庫議会HP 兵庫議会会議録 閲覧・検索システム より転載)
○委員長(北浜みどり) ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
―中略―
これより議事に入ります。
認第1号ないし認第23号を一括議題といたします。
本日は、健康福祉部の審査を行います。
当該部局に係る決算概要の説明については、あらかじめその要旨を配付しておりますので、ご了承願います。
これより質疑に入ります。
この際、当局に申し上げます。
答弁は、発言の趣旨を的確に捉え、簡明・率直に願います。
委員の発言は、通告に基づき、委員長より順次指名いたします。
―中略―
○副委員長(栗山雅史) 次に、中島かおり委員。
○(中島かおり委員) 芦屋市選出の中島かおりである。
2項目についてお伺いする。
最初は、DVと児童虐待の連携と効果的な広報についてである。
今朝の新聞で、県内DV相談最多1万9,171件と過去の記録を更新し、子供の面前でDVを行うことが心理的虐待に当たることへの認識が高まったことから、県が所管する児童相談所への相談件数が5年前と比べて20倍超になった。あるいはDV被害者の自立支援強化兼民間シェルターに専従職員といった記事を拝見することができた。
また、朝からこの委員会においても、子供を取り巻く環境は厳しいのだということもお聞きをした。行政の更なる取組が強く求められる状況なのだと改めて感じているところである。
健康福祉部少子高齢局児童課児童福祉班の分掌事務には、児童虐待防止、こども家庭センター、児童養護施設、児童自立支援施設等の運営、里親、DVとある。
DVについては、女性に対するあらゆる暴力をなくしていこうというメッセージが込められているパープルリボンがある。
児童虐待防止を推進するオレンジリボンはかなり浸透してきたかもしれないが、パープルリボンはオレンジリボンほどではないかもしれない。
パープルリボン運動は、国においては内閣府、男女共同参画局が所管しているが、児童虐待とDVは関連性が強い。すなわち、DVが起きている家庭では、子供に対する暴力が同時に行われている場合があるということも配慮して、県においては担当が同じだとも理解をするところである。
女性に対する暴力をなくす運動については、国において毎年11月12日から11月25日、女性に対する暴力撤廃国際日までの2週間と定め、パープルリボンにちなんで、全国のタワーやランドマークなどを紫色にライトアップする、パープルライトアップを実施している。
県におかれても、この期間に、ぜひパープルライトアップ運動に取り組むとともに、パープルリボンと県の児童虐待防止のシンボルであるオレンジリボンはばタンと連携した広報に、ぜひ取り組んでいただきたいところである。ご所見をお伺いする。
○児童課長(中西史宏) 本県における令和元年度のDV相談件数は1万9,171件で、過去最高であった前年度から微増という状況になっている。中でも、こども家庭センターでのDV相談件数が、前年度1,644件から2,068件、424件の増で、割合でいくと25.8%の増となっているが、急増しているところで、DVと児童虐待との連携が必要なケースが増えていると、このように認識している。
パープルリボン運動について、本県では、男女共同参画のもと、県関係を中心にポスターの掲示やリーフレットを配布するとともに、県男女共同参画センター内にDV防止啓発パネルの掲示、そのセンターでの発行の情報誌で関連記事を掲載しているほか、ホームページにも紙面を掲載しているところである。
パープルライトアップについては、パープルリボン運動の一環として、市町を通じて趣旨を呼びかけ、賛同いただいた施設にご協力いただいているというふうに聞いている。
一方、オレンジリボン運動については、児童虐待防止活動の一環として、オレンジリボンはばタンを活用した啓発、協力をいただける店舗等へのポスター掲示や、新聞、ラジオでの啓発、ヴィッセル神戸サッカー会場での啓発活動に取り組んでいる。今後のことについては、オレンジリボン運動が11月という1ヵ月間、そしてまたパープルリボン運動が委員ご指摘の11月12日から25日の2週間ということで、同じ11月に実施する運動ということになっている。そういうことから、男女共同参画を所管する部局と児童虐待を所管する児童課とが連携をし、DVと児童虐待の関連をテーマにしたセミナーの開催、啓発ポスターの掲示、啓発グッズの配布など、効果的な啓発活動を検討していきたいというふうに考えているので、よろしくお願いする。
○(中島かおり委員) ご答弁いただき、ありがとうございました。
連携が重要な案件が増えているというようなご答弁があった。また、11月にそれぞれの担当部署でも連携をされて効果的な啓発を検討していただくということで、ぜひお願いしたいところであるが、ここで1点お伺いしたい。検討いただく中で、国の担当大臣もつけているこのオレンジリボンとパープルリボン、私も今日つけているし、課長もつけておられるかと思うが、これのオレンジリボンはばタンのバージョンと、またぜひコラボというか、そのバージョンも取り組んでいただくというようなことも一つお願いできるのかなというふうにも思う。
また、パープルライトアップについては、市町を通じていろいろと取組があるところについてはやってもらっているというお答えだったかと思う。国のほうのホームページでもいろいろと見ることができるが、ぜひ兵庫県として積極的に手を挙げていただきたいと思うところである。コロナ禍において、ブルーライトアップというようなことで医療従事者、関係者の方々への応援というようなことが全世界的に広がった中で、兵庫県としても取り組まれたというふうに理解をしている。ぜひパープルライトアップについても、県としても取り組んでいただきたいというようなところで、効果的な啓発を検討いただく中で、そのようなことも考えていただければと思うが、いかがか。
○児童課長(中西史宏) 二つのご質問いただいたと思う。
1点目、このオレンジリボンとそれからパープルリボンのコラボしたリボン、私も今つけているが、これは昨年度内閣府のほうから各自治体のほうに配布をされたものの一部で、元は吹田市のほうが作ったものというふうに聞いているが、ただ、個数に限りがあって、余り兵庫県でも15個程度しか配付されなかったというふうに聞いているところである。こういうものが内閣府としてどんどん全国発信すれば、我々としても機会あるごとに普及啓発に努めていきたいというふうに考えている。
2点目、パープルライトアップのことについてご意見をいただいた。私どもとしてはパープルライトアップについてはあくまでもパープルリボン運動の一つ、一環というふうに考えており、女性へのDVであったり、あるいはまた性犯罪、売買春、更にはセクハラ、ストーカー等々、女性の人権を侵害する行為をなくす運動というふうに考えている。そういうことで、それを所管しているのが内閣府であり、県でいうと男女共同参画を担っている部局ということになり、あくまでも児童課はその中の一つ、DVというものを所管しており、女性家庭センターであったり、あるいはまた市町に設置している配偶者暴力相談支援センターであったり、そういうところと連携をしながら直接的な支援、あるいはまたそれに係る啓発を実施しているところである。そういうことで、パープルライトアップについては所管している男女共同参画を所管している部局に委員のご要望について伝えておくとともに、我々として、児童課としても何ができるのか一緒になって検討していきたいというふうに考えている。
○(中島かおり委員) ありがとうございます。
なかなか、所管が複数にまたがっているとお互いが遠慮し合われるような部分もあるのかなというふうには思うところである。ぜひ、連携をしながら相乗効果が発揮されるといいなというふうに思うところである。
DVと児童虐待については、関連している状況もあり、それについての現状についても本日もご披露いただいたし、また新聞等々でも拝見をするところである。いずれにしても、多くの人々に、必要な方々に届くようにという部分もあるし、DVと児童虐待というのが実は関連があるんだというようなことで、その知識がもしかしたら誰かが何かあったときのストップになる要因になる可能性もあるかもしれないと思ったりもするところであるし、そういったことは考えられないのかもしれないが、いずれにしても必要な方々にタイムリーな情報が差し伸べられるような広報、啓発というようなことも含めて、連携もして取組を今後もお願いする。
続いて2問目に移りたいと思う。
介護保険事業についてである。
地域包括ケアシステムの強化と費用負担の公平化を目指して平成29年6月2日に改正された地域包括ケアシステムの強化のための改正介護保険法に基づき、介護保険制度の円滑な実施を図るため、市町の保険者や事業者に対する支援をはじめとして、介護保険事業の施策を推進している。
介護の現場においてはコロナの影響が色濃くある中で、介護の支援を必要とする方々に、施設職員さんやヘルパーさんなど感染リスクがあるにもかかわらず黙々と仕事をされてこられたことを考えると、改めて感謝を申し上げる次第である。
さて、新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱について、複数回にわたり国から通知が発出されている。
その中で、通所介護費等の請求単位数についてにより、提供サービス時間の区分より2区分上位の報酬区分を算定する取扱を可能とすることが通知されている。
利用者からの事前の同意を条件としているが、新型コロナウイルス感染症の影響による負担の一部を利用者に求めるのではなく、本来は国のすべきことではないかと思うところであるが、県としてのコロナ対応の中で取り組むべきではないかと考える。
この点について、県としてはどのように整理しておられるのかご所見をお伺いする。
○高齢政策課長(坪井宏徳) 委員ご指摘いただいた介護報酬算定上の臨時的な取扱については、新型コロナウイルス感染症拡大防止の対応を適切に評価する観点から、利用者の事前の同意を前提としつつ、実際の提供サービス時間の区分に対応した報酬区分の2区分上位の報酬区分の算定を可能とする旨が6月の国の通知で示されているところである。
こうした臨時的な取扱については、結果としては新型コロナウイルス感染症拡大に伴う利用自粛等により、介護報酬が減収等となった事業所への支援に資するというふうに考えられる一方で、利用者負担の増加が伴うものであるため、利用者への事前の説明、それから同意が必要となる中で、同意した利用者、それから同意しない利用者との間で不公平感が生じること、支給限度額、支給限度基準額を超えることがないようにサービス内容を改めて調整する必要が生じるなどといった問題が生じているというふうに承知している。
こうした問題により、支給限度基準額を超えるサービスの利用が全て自己負担になれば、本来必要なサービスの利用控えにつながるといったおそれもあることから、県としては、健康福祉事務所等を通じ、事業所に対して利用者への丁寧な説明を行うよう指導させていただいているところである。
本件については、他の県からも国に対して問題提起がなされているというところであると承知している。こうした状況も踏まえれば、本件は全国的に解決されるべき問題であるというふうに考えており、本県からも必要な見直し等については国に働きかけていきたいというふうに考えているところである。
○(中島かおり委員) ご答弁いただき、ありがとうございました。
いろいろと問題点についてもご答弁いただいてよく分かった。
今回の新型コロナウイルス対策は自然災害に似た側面があると思っている。当初予算段階では想定できなかった歳出の増や、歳入の減が生じている。実際国からも、令和元年度台風19号に伴う災害における介護報酬等の取扱について、この考え方を参考にするようにというような通知が一緒についているかと思う。
では、この差、この乖離は誰が埋めるのか、誰が負担するのか、様々な場面で生じている問題である。介護保険事業においても、県の立場、事業所の立場、また利用者の立場、それぞれで国からの受け止め方も変わると思う。事業者からすると減収分が補填される、利用者からすると減収を補填するのは災害に似たものによるのだから利用者に求めるのはおかしくないかといったことになるかもしれない。また先ほどご答弁いただいたような、様々なサービス内容等々にも関わる、あるいは不公平感があるといった問題もあるかと思う。
事前の同意が必要とされているとはいえ、国からの通知もあり、2区分上の報酬を請求していいかと聞かれれば、いいえとは言いにくいであろう。また、実態がどのようになっているかは、2区分上の上位の報酬として請求されているであろうし、溶け込んでいるであろうことから、すぐに実態把握は難しいものと思われるが、県としてはどこまで現状を把握されておられるのか、また通知によるものであるが、いつまでといった終息が見えない中で見通しはどのようなものだとお考えか、再質問させてください。
○高齢政策課長(坪井宏徳) 2点いただいたと考えている。
1点目については、実際に2区分上の報酬がどれだけ実際に算定されているかということである。こちらに関しては、通常、介護報酬の請求は国民健康保険団体連合会のほうにされる形になるが、委員もご指摘あったとおり、こちらもう2区分上がった形で請求がされるので、どれだけ実際にこの特例を活用されているかというのは、現時点では詳細には把握はしていない。
一方で、各市町との意見交換の中で話を聞く中では、ある市町に関しては大体3割ぐらいだろうと見込んでおられる市町もあったし、もう少し取ってるんじゃないかとおっしゃられたような市町もあった。この辺り実態は把握しにくい部分あるが、実際どういうふうな状況になっていくのかということに関しては引き続き状況を把握したいというふうに思っている。
それから二つ目、今後の見通しであるが、今後の見通しに関しては国のほうからも基本的には示されていない状況であるので、引き続き状況ウォッチしていきたいというふうに考えている。
○(中島かおり委員) ありがとうございました。
コロナの終息がなかなか見えない中で、いろんな現場で大変ご苦労されておられるということで、承知をさせていただいた。
最初のご答弁にあったように、また私も最初の質問の中でも申し上げたとおり、本来はコロナの影響という部分で、国が対応していただくべきことなのかなというふうには思っているところである。国にも働きかけていくというようなところだったが、この辺り、国への要望等々については具体的にもし何かあるのであればお聞かせいただければと思う。
○高齢政策課長(坪井宏徳) 国への具体的な要望の中身については、先ほど申し上げたような状況等も把握しながら、どういう内容が適切かということは検討させていただきたいと思うが、基本的には、どういう趣旨でこの事業を実施しているのか、その上で仮に事業者の収入の観点から実施しているのであれば、利用者に対して負担が生じないような形で実施すべきじゃないかというような意見を出されているようなところもあるので、そういったことも踏まえながら検討していきたいというふうに考えている。
○(中島かおり委員) ありがとうございました。
現状がなかなか把握できない中で、どういったことができるのかというようなところで大変難しいところかとは思うが、ぜひ県民の皆様のためにご努力いただきますことをお願いして、質問を終わらせていただく。ありがとうございました。
○副委員長(栗山雅史) 以上で、中島委員の質疑は終わりました。